1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | TOTAL | |
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千保ジャガーズ | 0 | 1 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 |
永田オックス | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 2 |
サマーリーグダブル決勝戦の2戦目。
今度は上級生チームの優勝決定戦だ。
先の4年生大会決勝戦を4年生チームが見事勝利。優勝を決めている。
上級生チームにも、いや千保ジャガーズ全体に勢いを与えてくれた。なんとしても勝つ!
予選Bブロックを4勝1敗1位通過(得失点差)し、優勝決定戦へと駒を進めた千保ジャガーズ。
優勝決定戦の相手はAブロックを全勝で1位通過してきた永田オックスだ。
永田オックスには春先のやまびこ新人戦、やまびこリーグ戦、共にサヨナラで苦杯を味わされている。
ここでリベンジし、サマーリーグ完全優勝を成し遂げるのだ!
先攻初回、しかしいきなり三者凡退で抑えられてしまう。均衡した試合を予想させる展開。
千保も負けてはいない万全の布陣。先発はキャプテン・ケイタ。
先頭バッターにヒットを許すも、これをキャッチャーイツキがセカンドへストライク送球、盗塁を封じる。結局初回を3人で抑える。
するとつづく2回表の攻撃。先頭のケイタがフォアボールで1塁に歩くと二盗三盗。5番タクヤ倒れるも1アウト3塁。先制のチャンスを迎える。
ここでバッターはスズキケイタ。5年生以下新チームでもココ最近頭角を現し始めている。
2ナッシングと追い込まれるもしぶとくライト前へ落ちるタイムリー。どうしても欲しかった先制点をもぎ取る。
2回裏の守り、先頭に対しヒットでの出塁を許すも後続を絶つ。この日のショート・タクト、何時にない気合いそして落ち着きを持っていた。ゴロを難なくさばいて3アウト。無失点で切り抜けた。
良い流れは千保へ。つづく3回の攻撃。
タクトがサード強襲ヒットで出塁すると3番イツキも相手サードのエラーを誘いつなぐ。ノーアウト2・3塁、追加点の絶好のチャンスを迎える。
ここで頼れる4番ケイタ。今期ここまでこういった場面で何度も試合を決めるバッティングを見せてきた。
ケイタを呼び寄せ作戦を伝える指揮官向原ヘッド。「ここはチームバッティングだ。お前ならやれる!」
初球、言葉通り3塁ランナーを帰すチームバッティング。叩きつけた高いバウンドで3塁ランナー悠々とホームに帰る。2−0。欲しかった追加点を奪う。
更につづくは弟タクヤ。初球いきなりの芸術的なスクイズバント。更に追加点で3−0。
決して油断は許されないが試合を有利に展開することに成功する。
3回の守り、さすがの永田オックス。果敢に攻撃をしかけプレッシャーをかけてくる。
フォアボールとヒットで1アウト満塁のピンチを迎える。
ケイタ、ここでギアを1段階上げる。相手3番を三振、4番をショートゴロに打ち取りこのピンチを切り抜ける。
さらに4回、オックスの猛攻はつづく。
この回1アウト2・3塁のピンチ。三振で2アウトとし、9番をここもショートゴロ。
「打ち取った。3アウト」と思った次の瞬間、ファーストのグローブからこぼれ落ちるボール。スタートをきっていた2塁ランナーまで帰り、2点を返されてしまう。
優勝への道に待ち構える試練か、はたまた物語を盛り上げるためのシナリオか、3−2その差1点、正に痺れる展開だ。
野球は"流れ"のあるスポーツだ。
この時流れはオックスへと傾きかけていた。
5回の攻撃、1アウトからイツキが2塁打で出塁するも三盗を失敗、そのままケイタも三振に倒れて千保には嫌な流れ。
するとその裏、相手上位打線に対し、ケイタの球が完全に捉えられてしまう。
フォアボールも重なり、1点差で1アウト満塁の大ピンチ。蘇る悪夢。
・・・いや今こそ!今までの悪夢を自分たちの力で、チーム全員の力で振り払うときだ。
緊急リリーフ。ここでイツキがマウンドに上がる。
力の入るピッチング。投じるボールにはチーム皆の思いが力となり乗り移っていた。
一人目のバッターをライトフライに打ち取り2アウト。
更に二人目のバッターを空振り三振に斬って取る。3アウト。
絶体絶命のピンチを無失点で乗り切ってみせた。
6回。やはり流れを引き寄せきることができない。
デッドボールとエラーで作った絶好の追加点のチャンス。しかしここも拙攻。チャンスを生かせず無得点に終わる。我慢の時だ。
6回裏。先頭を三振に仕留めるも、つづくバッターにフォアボールを与えてしまう。さらに相手キャプテンにこの日3本目のヒットを打たれ、再び2アウト満塁のピンチを迎える。
優勝への試練はこの試合あといくつ残っているというのか。いやきっとこれが最後だ。
相手4番との力と力、気合と気合のぶつかり合い。勝ったのは・・・ピッチャー・イツキだった。
3アウト目の打球としてこの日4度目、再びショート・タクトの前にゴロが転がる。
「仲間のミスはチームみんなでカバーするんだ。」タクト確実にさばいてファーストへ。カズキ今度はがっちりキャッチ。3アウト。再び試練を乗り越えてみせた。
7回、最後の守り。1点差。この1点なんとしても死守だ。そして優勝トロフィーを掴み取れ!
先頭をサードゴロに打ち取り1アウト。
1アウトからフォアボールでランナーを出すがバッターとの勝負に集中していた。
つづくバッターを見事なボールで見逃し三振で2アウト。あと一つ。
最後の勝負。力で押すピッチング。レフトへ上がる飛球。レフト・ハルキに一気に集まる視線。
「キャッチアウト!」
「ゲームセット!!」
優勝だ!
「千保ジャガーズ サマーリーグ完全優勝(※)」
(※上級生チーム/下級生チームともに優勝)
見事歴史にその名を刻んだ選手たち。おめでとう。そしてありがとう。
これはまだはじまり。強い千保ジャガーズの伝説。その物語の幕は今上がったばかりなのだ。